Mix
Sal – Jumble! (promo mix for PENG PENG DONG PEEE’s Farmer’s Daughter)

a magical selection of 50s-70s Blues, R&B, Calypso, Mambo, R’n’R, Jazz, Jamaican Jazz, Rocksteady, Second-line Soul and Cumbia by DJ Sal, for celebrating the launch of Japanese Lo-Fi Tropical Blues Band – Peng Peng Dong Peee’s debut 45 Farmer’s Daughter/Family-Run Gas Station on OKRA Brand.

ここにコンパイルした曲は、どれもそれらが生まれた国の独特な匂いと強烈な印象を残すものだ。異国のサウンドばかりなのに、合間に登場するペンペンドンピーに全く違和感はない。それはペンペンドンピーの音楽への愛の濃さと熱が迸っているからにほかならない。

説明は野暮だと思いつつ、少しだけ。
1曲目はスカ前夜に録音された、緊張感と疾走感が絡むジャマイカン・ジャズ「What Is The Thing Called Love」。セシル・ロイド、ドン・ドラモンド、ローランド・アルフォンソといった説明不要の偉人達によるものである。2、3曲目は土埃舞うコロンビアのナイト・クラブを彷彿させる「Santo Domingo」と「La Morena Encarnacion」。5曲目はデニス・シンドリー、ロイド・ブレヴェット等による獣めいたギターと腹の底を震わせるベースがとことん怪しい「Taboo」。7曲目はスペシャリティから出ている編集盤『doo wop』にも収録されたアラビックな雰囲気の「Cleo」で、これはワダマンボに捧げるキャット・チューンでもある。11曲目は、猛烈に格好いいギターと小気味良いピアノが効いているリズム・アンド・ブルース「Don’t Think I Will」(7インチとは別テイク)。ラストは、フリートウッド・マックの「Albatross」を最高にうっとりさせるラヴァーズ・ナンバーにリメイク。

ほとんどが40〜60年前のものだが、膨大な情報量が加速し続けるスピードで消費されていく現代においても、決して輝きを失わずに在り続けるのは、これらが本物であることの確固たる証拠だと思う。今回発表されたペンペンドンピーの楽曲も特別なレコード(記録)として独自のアイデンティティーを与え続け、未来へ受け継がれていくのは言うまでもないだろう。

Selected & Mixed by Sal (Chant Down Babylon)
Mastered by Toru Takashima

— Sal (Chant Down Babylon)

【Sal】
名古屋のクラブ・シーン創成期よりDJ活動を続けるシーンの重要人物。スカ、ロックステディ、70’Sレゲエといったヴィンテージ・レゲエを中心に、カリプソ、ラテン、ブルース、ジャズなど様々なジャンルをカバーする。独自のセンスで融合するアーシーでトロピカルなプレイ・スタイルを持つその選曲は、鮮烈なメロディと魅惑的なリズムで聴くものをとらえて放さない。「CHANT DOWN BABYLON」は、名古屋の老舗クラブ・ブッダで奇数月第4土曜日にレギュラー開催。2019年には名古屋クラブクアトロ30周年記念企画「NEW DIRECTION」前夜祭のディレクションを務める。

〈July 2021〉