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<インタビュー>
イバン・メデジン (Iván Medellín)
CONJUNTO MEDIA LUNA

 トラディショナルなクンビア・サバネラ、オーセンティックなアコーディオン・クンビアのスモール・コンボ・サウンドを、ヴィンテージ・シンセ等による絶妙なスパイス使いで見事にアップデートし、世界のクンビア・コミュニティでじわじわ支持を広げつつあるコンフント・メディア・ルナ。その首謀者でありアコーディオン/キーボード奏者のイバン・メデジンは、いまやロンペラージョやメリディアン・ブラザーズをはじめとするボゴタ発のさまざまな重要プロジェクトに参加、シーンの期待を一身に背負う大注目株である。
 オーディエンスとして体験したゴボタのネオ・トロピカル・ミュージック・ムーヴメント黎明期の貴重な話から、クンビア・サバネラ、そしてコロンビアの若者たちが置かれた社会的な状況まで、たっぷりと話を聞いた。

Interview by 森本英人

— イバン、あなたには訊きたいことがいっぱいあるんです。
あなたはロス・ピラーニャスのメンバーたち(フレンテ・クンビエロのマリオ・ガレアーノ、メリディアン・ブラザーズのエブリス・アルバレス、そしてロンペラージョのペドロ・オヘダ)のひとまわり下の世代ですよね。

■ イバン・メデジン : ははは。おもしろいことを訊くね。うん、そうだね。いくつ下かは正確には知らないけれど、たぶん10歳近く離れてるんじゃないかな。2010年に初めて彼らの音楽に触れて以来、僕にとって彼らは憧れのマエストロたちだった。でもいまではここボゴタのアンダーグラウンド・トロピカル・シーンで多くのコンサートやレコーディングを共にしている親しい音楽仲間だよ。

— ボゴタの新しいトロピカル・ミュージック・シーンの発展をオーディエンスの側から見てきた証人として、そのあたりのことも伺えたらなと思ってたんです。

ロス・ピラーニャス

■ イバン・メデジン : もちろん! ロンペラージョに参加する数年前、僕はフレンテ・クンビエロやメリディアン・ブラザーズのスタジオ・アシスタントを務めてたんだ。ずっと彼らの大ファンで、バーや公園でのギグ、フェスティバルなどボゴタのあらゆるところで彼らのコンサートを観てきたよ。

— 初めて彼らの音楽に出会ったのは?

■ イバン・メデジン : ラティーノ・パワーやマティク・マティクのライヴだね。完全に打ちのめされた。まだ駆け出しのミュージシャンだった僕にとって、彼らの力強いパフォーマンス、そしてそれに反応してオーディエンスが踊り狂う様子は衝撃的だった。

— それはロス・ピラーニャスですか?

■ イバン・メデジン : ロス・ピラーニャスが最初だったね。その後フレンテ・クンビエロやメリディアン・ブラザーズ、ロンペラージョといったプロジェクトを知るようになった。

— なにか新しいことが起こってるぞ、というような感覚はあったんですか?

■ イバン・メデジン : よくこう思うことがあった。ニューヨーク、ベルリン、ブエノスアイレス…どこでもかまわない、僕が夢中になったアンダーグラウンド・ミュージック・シーン、その黄金期にその場にいたかったなぁって。ロス・ピラーニャスやこの辺りのバンドがライヴ活動をはじめたとき、まさにそのスリルを感じたよ。夢の中にいるようだった。ぞくぞくしたよ。

— ああ、なるほど。わかります、その気持ち。

■ イバン・メデジン : 世界的に見ても、いまこのシーンはもっとも刺激的で、オリジナルなシーンのひとつだ。間違いなくこの先もっと注目を集めるようになると思うよ!

— ロス・ピラーニャスの登場によって発火した、ここ10年ほどのボゴタのトロピカル・ミュージック・シーンについて調べてると、先ほども出てきたマティク・マティクというお店の名前を頻繁に耳にします。どんなヴェニューなんですか?

■ イバン・メデジン : いつ行っても特別な場所なんだ。あらゆる音楽を楽しむことができる。エクスペリメンタルでアヴァンギャルドなノイズ・エレクトロニカからトラディショナルなクンビア・サバネラまで。小さなヴェニューなんだよ。世界中によくあるジャズ・バーみたいな。オーナーはベンハミン・カライスって人で、いまでも時々店を開けてるよ。
最初は客として行ってたんだ。ライヴが終わってステージから降りてきたミュージシャンとビールを片手に話ができる。ほんとうにマジカルな場所だ。

マティク・マティクでのロンペラージョ

— 他にボゴタでネオ=トロピカル・ミュージック・ムーヴメントの発展に寄与したスポットというと?

■ イバン・メデジン : マティク・マティクとラティーノ・パワー。主にこのふたつのヴェニューだね。でもこういった音楽を楽しめる素晴らしいヴェニューはボゴタ以外にもいっぱいある。なんとかこのパンデミックを乗り切ってくれるといいんだけど。

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— このシーンにミュージシャンとして関わるようになったのはラ・ソノラ・マスレンが最初のバンドですか?

■ イバン・メデジン : ラ・ソノラ・マスレンは僕とボゴタのミュージシャン6人で始めたコレクティヴだ。そもそもはラテン・アメリカやアフリカのいろんなリズムを勉強しようと思って始めたんだよね。

— ラ・ソノラ・マスレンで、パナマのアコーディオン奏者セフェリート・ニエットの「Ceferino En Salsa」をカヴァーしてますよね。

■ イバン・メデジン : この手のユニークで、しかも”踊れる”レコードが僕らは大好きなんだ。あるコンピレーションLPでこの曲を知って以来、メンバーはみんな虜になってね。それでレコーディングしようって話になったんだけど、やってみたらヤバいことになったね!

ラ・ソノラ・マスレン「Ceferito En Salsa」

— あなたに聞かせたい話があるんです。そのコンピはSoundwayが2009年にリリースした『PANAMA! 2』ですよね。監修をしたのはベト(ロベルト・ジェイモント)。パナマのレコードのスペシャリストです。今回コンフント・メディア・ルナの歌詞の英訳を彼にお願いしました。そのときベトが「ボゴタっていえば、「Ceferino En Salsa」のカヴァーをやってるバンドがいるんだけど知ってる? すごく良いんだよ」と言って、リンクを送ってきたんですよ。「ベト、それ、コンフント・メディア・ルナのイバンがやってるバンドだよ」と伝えたら、「え!? 知らなかった」と言って笑ってました。

■ イバン・メデジン : ワオ! それはうれしいな。パナマはいまもって知られざる音楽の宝庫のひとつだよ。1903年の独立以前、パナマはコロンビアの一部だったんだ。だから音楽的、文化的に共通するものがたくさんある。セフェリーノはマエストロだ。パナマのアコーディオン・ミュージックはミステリアスでエネルギーに充ちている。大好きなんだ。Soundwayは、実際に旅することはなくても、レコードを通して僕を見知らぬいろんな土地に連れて行ってくれたレーベルだった。ぞっこんだったよ!

— ラ・ソノラ・マスレンは、ヴォーカル&パーカッションがラ・ペルラのロベルタ・レオノ(クレジットによっては本名のジオバンナ・モゴジョン)とディアナ・サンミゲルに替わって、リズム面が格段に表情豊かになりましたね。今後リリースの予定はありますか?

■ イバン・メデジン : そうなんだ! 楽しみにしててよ。もうすぐ『Bailando Con Extranos』というアルバムをリリースする予定だ。

— 期待してます。
さて、いまやあなたはロンペラージョのメンバーでもあり、ペドロ・オヘダがドラマーを務めるエクスペリメンタル・ジャズ・バンドのエル・オンブリゴでもプレイしてます。シーンのパイオニアたちから信頼されてますよね。愛されてるという感じがします。

■ イバン・メデジン : ペドロのロンペラージョはもちろん、サンチアゴ・ボテロ率いるエル・オンブリゴも僕のお気に入りのバンドのひとつだった。サンチアゴもペドロも、僕のことはラ・ソノラ・マスレンの活動を通して知ってたみたい。ロンペラージョもエル・オンブリゴも、メンバーの何人かがヨーロッパやアメリカに帰ることになって、代役となるボゴタの若手ミュージシャンを捜してたんだ。ラッキーなことに僕もそのひとりに選ばれた。
サンチアゴと一緒にプレイして、ジャズとエクスペリメンタルなサウンドをより深く理解するようになった。エル・オンブリゴでプレイするのは僕にとってチャレンジだったよ。それまでの僕の音楽的な言語とはまったく別物だったから。でもすごく楽しんでるよ!

エル・オンブリゴ

— そしてなんとメリディアン・ブラザーズとの共作も間もなくリリースとなります。ちょっと前にエブリスから音源が送られてきて、次のアルバムがあなたとのコラボレーションだと知ったときは驚き、そしてとても嬉しい気持ちになりました。

■ イバン・メデジン : ペドロ・オヘダ、そしてエブリス・アルバレスは僕にとって音楽的な師匠のような存在だ。
エブリスはまぎれもない天才だよ。僕らの世代でもっとも輝かしい、ユニークな才能の持ち主だ。たしかにアカデミックな意味でも優秀で、細かいし、いろんなことができる。でも根がパンクなんだ。反逆児でアナーキストだ。それこそが彼をただならぬ天才にしてる所以だよ。エブリスと一緒にアルバムを制作したことは間違いなく僕のこれまでの短いキャリアの頂点だね。声をかけてくれたことにすごく感謝している。
録音はとてもクールだったよ。エブリスがすべての曲を作曲して歌詞も書いて、僕はアコーディオンのアレンジを担当した。エブリスはほんとうに音で遊びながらアイディアを思いつくんだ。彼のクリエイティヴさ、才能の豊かさ、忍耐強さにはただただ驚くばかりだ。

メリディアン・ブラザーズ&コンフント・メディア・ルナ『PAZ EN LA TIERRA』

 

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— コンフント・メディア・ルナの話をしましょう。
ラ・ソノラ・マスレンの活動が順調なのに、さらに新しいプロジェクトを始めたのはなぜですか?

■ イバン・メデジン : アコーディオン、そしてクンビア・サバネラに特化した、なにかクリエイティヴなことを表現する場が欲しかったんだよね。小編成の、4人くらいのミュージシャンで演奏することを念頭に置いて、まずは自分の曲をひとりでレコーディングすることにしたんだ。その後話が一気に進んで、ダニエル・ピエドライタ、ロベルタ・レオノ、ニコラス・エカルトと一緒にこの素晴らしいクンビア・バンドを組むことになった。

— クンビア・サバネラについて教えてください。

■ イバン・メデジン : サバネラというのはこのクンビアが生まれた地域のことだよ。モンテスデマリアの山間に広がるサバンナ地帯のことで、ガイテロス・デ・サン・ハシントや、クンビアの王、アンドレス・ランデーロを輩出したあのサン・ハシントの町もここ位置している。
同時にサバネラは、アコーディオンを用いたクラシックなクンビアのスタイル、フォーマットのことでもある。アコーディオンにカハ・バジェナータ、コンガ、グァチャラカ、カウベル。モンテスデマリアの一帯で、ヨーロッパからの入植者、先住民族、そしてアフリカから連れてこられた人々の遺産が激しくぶつかった結果生まれた、コロンビアでももっとも驚くべきサウンドのひとつだ。クンビア・レバハダの故郷であるメキシコのモンテレイでもとてもポピュラーなスタイルだね。

アンドレス・ランデーロ

— クンビアの中でも、これこそがクンビア・サバネラといえる特徴というと?

■ イバン・メデジン : アコーディオンとそこに込められた感情だね。アコーディオンのサウンドへと変換された、昔から変わらないセンティミエント、感情。僕の意見では、サバネラはクンビアの中でももっともノスタルジックで感傷的、メランコリックだ。にもかかわらず、同時にとても激しくて、ダンサブルでもある。まさにマジックだよ!

— アンドレス・ランデーロは日本でも知られた名前ですが、コロンビアにはアコーディオンのマエストロがいっぱいいますよね。リサンドロ・メサ、アルフレード・グティエレス、アニバル・ベラスケス…。あなたのフェイヴァリット・プレイヤーは誰ですか?

■ イバン・メデジン : 最近、コラチョ・メンドーサとフアンチョ・ロイスにハマってるんだ。彼らのスタイルは僕がここ数年聴いてきたものとはまったく違う。フェイヴァリット・プレイヤーかどうかはわからないけれど、いま夢中だね。

コラチョ・メンドーサ

— 以前フレンテ・クンビエロのマリオにインタビューしたとき、「クンビアはコロンビアの都市部では一度”終わった”音楽だ」と言ってたのですが…

■ イバン・メデジン : ほんとうだよ。クンビアはクリスマスとか家族が集まるようなときしか耳にすることはないね。

— では、にもかかわらず、なぜクンビア・サバネラを?

■ イバン・メデジン : クンビアやトロピカル・ミュージックは僕らコロンビア人のDNAの一部だと思う。この手の音楽を聴くと、少なくとも僕は身体の奥底から沸き上がるものを感じる。アコーディオンを聴く度に魅了されて、24歳のときにとうとう始めることにしたんだ…そしてクンビア・サバネラもね! 長い歴史のある、素晴らしいサウンドだよ。たとえ僕がティーンエイジャーで、ロックで、パンクで、ヘヴィメタ野郎だったとしても、いずれはクンビアに目覚めてすっかり虜になったと思う。僕が暮らすこの国と現実を感じることができる音楽なんだ。

— いま日本でも「民謡」を巡って同じことが起きているように思います。フレンテ・クンビエロのマリオ・ガレアーノと民謡クルセイダーズが『民謡クンビエロ』を制作したのは決して偶然ではないはずです。
ところでアコーディオンは誰かに習ったんですか? それとも独学ですか?

■ イバン・メデジン : レコードを聴いて、耳コピしたよ。ランデーロやいろんなクンビアのマエストロたちのプレイを。あとはYoutubeだね、ハハ! もちろんすでに鍵盤楽器が弾けたことは、この驚くべき楽器をマスターする上でとても大きな助けにはなってるね。

— SNSの投稿であなたがメレンゲやフナナのようなコロンビア国外のリズムをアコーディオンで見事に演奏してるのを見て驚いたのですが、コンフント・メディア・ルナや別のプロジェクトでクンビア以外にも取り組んでみたいリズムはありますか?

■ イバン・メデジン : パナマの音楽だね。あとワラチャやバジェナートも。アコーディオンを使った音楽には世界中に様々なリズムとヴァリエーションがある。無限にね!

— コンフント・メディア・ルナのメンバーについて教えてください。グァチャラカのニコラス・エカルトは共にラ・ソノラ・マスレンを結成し、ロンペラージョにも同時に加入したあなたの相棒のような存在ですよね。

■ イバン・メデジン : まさしくね! ニコラスは素晴らしいベース・プレイヤーで、優れたプロデューサーでもある。

— パーカッションには、これまた先ほどから名前が何度も挙がっているラ・ペルラのロベルタ・レオノ。そしてベースに7”のアートワークも担当したダニエル・ピエドライタ。彼はロック/パンク・シーンの人なんですか?

■ イバン・メデジン : ダニエルはエルマノス・メノレスっていうエクスペリメンタル/パンク/メタル/ノイズ/ロック・バンドでも活動してる。画家で、音響アーティストでもあるんだ。ロベルタはトラディショナルなパーカッションを学んだ人で、このシーンでもっとも優れたスキルを持つプレイヤーのひとりだ。素晴らしいシンガーでもあり作曲家でもある。

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— ぜひ伺いたいことがあって。コンフント・メディア・ルナをデジタル・リリースでサポートしているIn-Correctoのことです。彼らはレーベルであり、かつヴェニューも持ってるんですか?

■ イバン・メデジン : In-Correctoはアーティストのサンチアゴ・アルバレスが中心となって運営している音楽レーベルだよ。彼らはラ・リベルラ・ドラダっていう、ボゴタでもっとも伝統のある劇場ととても親しいんだ。普段は人形劇をやってて、ほんとうに素晴らしい劇場だよ。

— ああ、なるほど。In-Correctoのライヴ・セッションで舞台となっているのはその劇場なんですね。
COVID-19のパンデミックの直後、日本でもコロンビアでも多くのライヴ配信が行われましたが、コンフント・メディア・ルナのソロ・セットの映像は僕にはとても印象的でした。とてもシンプルな映像ですが…お金はかけられなくても、手持ちのものを利用して良きものをつくろう、届けようという意思、そしてその意思を共有するスキルのある人たちの存在を感じました。

コンフント・メディア・ルナ/ソロ・セット

■ イバン・メデジン : あのビデオをディレクションしてくれたのはサンチアゴ・アルバレスだ。素晴らしいカメラマンたちとエディターがサポートしてくれた。ラ・リベルラ・ドラダも撮影を快く許可してくれた。プロダクションには5人から8人くらいが関わってる。僕たちはわずかなお金、もしくはノーギャラでこうしたことをやっている。みんな大学や海外で学んだ映像や写真のプロフェッショナルだけど、ほとんどの場合、みんなただ情熱のためにこういったことに携わってる。

— In-Correctoのカタログを見ると、とても個性的でユニークなイラストレイター、写真家揃いですね。音楽と良い関係を築いていることに羨ましい思いがします。

■ イバン・メデジン : In-correctoはボゴタのアンダーグラウンド・シーンで活躍するアーティストたちの、いまやもっとも強烈なディレクトリだね。彼らのサポートが得られたことはとても幸運だった。ヴィジュアル・アーティストとコラボレートするのは好きなんだ。彼らが僕の音楽にどんなヴィジョンを描くのか興味がある。どんな風になるのかワクワクするよ。

— 今年(2021年)5月のデモの様子を、コロンビアの友人たちのSNSを通して固唾を飲んで見守るしかなかったのですが、パンデミック下の、あれほど緊迫した苛烈な状況の中でも、あなたたちが決してアートを手放さず、常に音楽とともに抵抗し、プロテストしているさまは衝撃的でした。

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Photo © stephanie ascanio

■ イバン・メデジン : 数えきれないほど多くの素晴らしいアーティストや作曲家、ミュージシャンたちが、自分たちの未来をより良くするために闘っている。ここコロンビアで音楽やアートに携わるのはとても難しいことなんだ。なぜって、僕らが暮らしているこの社会を主導しているのは、アートなんて知ったこっちゃない、そんなことはどうだっていいって人たちだから。つまりやるからには覚悟がいるってことさ! 得られるお金はほんのわずか。毎日が闘いだよ。でもだからこそこの闘いは尊い。

— オクラ印でリリースした「En este mundo y en esta tierra」と「N21」もコロンビアの社会的な状況に関する曲です。

■ イバン・メデジン : 僕たちの国はかれこれ19年に渡って民主主義を装った右派エリート集団による独裁に喘いでいる。僕たち、若い世代は毎日がギリギリの生活だった。パンデミックになって家に閉じこもって物思いに耽っている間に「En este mundo y en esta tierra」を書いた。でもいまや世界中どこにでも当てはまると思うんだ。邪悪な王が、己の利益のためだけに人々の生活をコントロールし、破滅に追いやろうとしている、そして人々が王を倒そうとしている、という状況は。
「N21」は2019年の11月(Noviembre)21日のことだよ。ボゴタで学生たちによる大規模なデモがあった日だ。そのデモの結果、学生たちは多くの権利を手に入れたんだ。

— あなたたちコロンビアの若い世代が2019年11月21日という日をどれほど誇りに思っているかは、ボゴタの友人たちと話しているとひしひしと感じます。
イバン、あなたには感謝しています。コンフント・メディア・ルナを始動させた当初から、あなたはデモを送り続けてくれました。フィジアル・デビューを東京からサポートできたことを誇りに思います。
最後に、今後予定を教えてもらえますか。

■ イバン・メデジン : フル・アルバムを録音する計画を立ててる。2022年には出せるといいな。ムンビア・イ・スス・カンデローソスのムーピー(小林ムツミ)とのコラボレーション7”があるし、まだまだびっくりさせられることが今年はいくつかあるよ!

Aug. 2021